JALカードnavi徹底攻略。良いところ、悪いところ。※2018年1月更新
- JALカードnaviとは
- 通常よりも少ないマイル数で特典航空券に交換できる
- マイルの有効期限が無期限に
- ショッピングマイルプレミアム、ツアープレミアム登録無料
- その他各種ボーナスマイル
- 大きなマイナスポイントはないが...
- まとめ
航空系の学生カードとして人気の「JALカードnavi」。普通カードにない特典がたくさん付いていたりと、非常に魅力的なカードです。今回はこのJALカードnaviの良いところ、悪いところを徹底的に解説します。
まだクレジットカードを持ったことがない学生や、JALとANA、どちらのマイルを貯めようか迷っている学生、必見です。
JALカードnaviとは
このJALカードnaviは、JALカードの学生カードです。18歳以上(高校生除く)の学生が発行できるクレジットカードで、JALカードの中でも最強のスペックを誇るカードです。JALカードnaviについて調べていると、よく大人から「羨ましい」という意見がでてくることもしばしばです。
基本スペックは以下の通り
- 名称:JALカードnavi
- ブランド:JCB(ディズニーデザイン有)、VISA、Master
- 年間維持費:0円
- 入会資格:高校生を除く18歳以上30歳未満の学生
- 電子マネー:WAON、QUICPay(QUICPayはJCBのみ)
ではどんなメリットがあるのでしょうか、見ていきましょう。
通常よりも少ないマイル数で特典航空券に交換できる
国内線減額マイルキャンペーン
「減額マイルキャンペーン」と言いますが、私個人的には、この特典が一番大きいと思います。
JALカードnavi会員は通常のJMB会員はもちろん、通常のJALカード会員よりもけた違いに少ないマイル数で特典航空券に交換できます。
例えば国内線の場合、通常は片道6000マイル~、往復12000マイル~特典航空券に交換できます。JALカード会員限定のJALカード割引を利用すると、往復9500マイル~です。
しかし、JALカードnavi会員であれば、2区間6,000マイル、1区間3,000マイルから特典航空券に交換できます。通常の半分のマイルで特典航空券が発券できてしまいます。
- 非JALカード会員のJMB会員:往復1万マイル~発券可能
- JALカードnavi以外のJALカード会員:往復9,500マイル~発券可能
- JALカードnavi会員:往復(2区間)6,000マイル~発券可能
ただし、利用可能な期間が限られているのが難点で、ほぼ閑散期にしか使えません。例えば2017年度の利用可能期間は次の通り。
期間1:2017年4/1~6/30(4/28~5/8除く)
期間2:2017年12/5~2018年3/31(12/23~1/4除く)
このように、実際に使える期間はそう長くありません。一応就職活動の主な期間はカバーできていますが、各社のインターンシップ等が多数開催される夏休みが対象外なのは要注意です。対象外期間中の保険として、各種ポイントを高レートでANAマイルに移行できる「ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)」を持っておくのもアリだと思います。この2枚があれば鬼に金棒です。
国内線特典航空券 JALカード navi会員 減額マイルキャンペーン - JALマイレージバンク
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国際線減額マイルキャンペーン
国際線減額マイルの方はエコノミークラスのみの設定で、通常必要なマイル数の半分に設定されています。
【例】ヨーロッパ往復の特典航空券(エコノミー)
- 通常:55,000マイル
- JALカード割引:39,000マイル
- JALカードnavi会員:27,500マイル
これは驚愕だと思います。39,000マイルですと、在学中に1度行けるかどうか、というレベルですが、3万マイル弱となるとどうにかなりそうです。
ちなみに距離の近い韓国ですと、通常15,000マイル(JALカード割引で11,000マイル)のところ、7,500マイルで発券できます。普通に特典航空券を発券すると国内片道がやっと、というマイル数で韓国旅行ができるんです。JALさんに感謝です。
こちらも除外期間が設定されており、行き先によって期間が異なります。繁茂期はもちろん除外、そして2月&9月も行き先によっては除外、となっています。
例えば来年2月の春休みに使えるのは、韓国、グアム、ヨーロッパ・モスクワ、ハワイ、北米(2/9まで)となっています。アジア1、アジア2、オセアニアは除外期間です。
国際線特典航空券 JALカード navi会員 減額マイルキャンペーン - JALマイレージバンク
対象がエコノミークラスのみ、というのが玉に瑕、ですが。ファーストクラス、とは言わないので、ビジネスクラスも設定してほしいなあ、と思います。
やっぱり上級クラスって、憧れじゃないですか。学生のうちに乗っておきたいな~、とも思いますので。
JALカードさん、ご検討お願いしますm(__)m
マイルの有効期限が無期限に
続いてマイル有効期限の無期限化、という特典です。JALやANAなど、日系航空会社のマイルは3年で失効します。基本的に延長することはできません。
しかし、JALカードnavi会員であれば、このマイル有効期限を在学中無期限にすることができるのです。大学等の卒業時に改めてマイル有効期限が設定されるので、大学入学時にJALカードnaviを作れば、在学中の4年間+3年間で最大7年間マイルを貯め続けることが可能になります。
JALカードnaviを月5万円決済に使ったとすると、1年で6000マイル、7年貯めれば42000マイルにもなります。塵も積もれば、ですね。42000マイルあれば、北米やハワイへの特典航空券を発券できます(JALカード割引、制度変更がなかったとして)。
そこまで貯めなくても、有効期限がない、ということはマイル失効におびえることなく、好きな時に特典航空券で旅行できる、ということになりますね。大学入学から貯め始めて、就活時の交通費に充てる、というのも良いと思います。
上記2つの特典は、決済額が少ない(と思われる)学生では、特典航空券発券までたどり着かない、という見地から設定されたサービスだと思われます。
まあ、マイルの有効期限をなくす方法、延長する方法はあるにはありますが、基本的には難しい(特に学生には)、というのが現実だと思います。
なんだかんだ、陸マイラーさん達にとっては、これが一番羨ましいんじゃないかな、と思います。
ショッピングマイルプレミアム、ツアープレミアム登録無料
ショッピングマイルプレミアム
「ショッピングマイルプレミアム」というのは、JALカードでの買い物の際、100円=1マイル貯まるようにするよ!っていうサービスです。
「え?元から100円=1マイル貯まるんじゃないの?」って思われた方もおられると思いますが、違うんです。
本来、JALカードのショッピングマイルの加算は「200円利用ごとに1マイル」です。還元率は0.5%です。
でも、これではあまりマイルが貯まらないので、オプションとして
「お金払ってくれたらマイル2倍加算するよ」
というのが「ショッピングマイルプレミアム」という制度です。通常は年会費が3240円かかりますが、これが無料で登録となります。
この制度のおかげでJALカードの還元率は1%なんです。年会費(JALカードnaviは無料)だけでは還元率1%にはなりません。
JALカードショッピングマイル・プレミアム(カードの機能) - JALカード
ツアープレミアム
こちらは、どの運賃で飛行機に乗ったときでも100%マイルを加算しますよ、というサービス。飛行機に乗ったときに積算されるマイル数は、同じ路線でも利用する運賃によって異なります。
例えば国内線では、スーパー先得やウルトラ先得などの積算率は区間マイルの75%。逆に普通運賃などは100%の積算率となります。まあ、高い運賃を支払って飛行機に乗っている人にたくさんマイルを付与するのは当然ですよね。
ここで、「JALカード会員はお得意様なので特別に普通運賃と同じだけのマイルを積算しますよ」、ということにしたのが「ツアープレミアム」です。
例えば、JALカードnavi会員と通常のJMB会員(JALカード非保有)が、JALパックで中部国際空港からハワイへ旅行した場合の獲得マイル数を比較してみます。
まず、ただのJMB会員(JALカード非保有)の場合です。条件は以下の通りになります。
- 中部ーホノルル往復
- 予約クラスL(積算率50%)
- JMB会員
この場合、加算されるマイルは
4019マイル(区間マイル)×0.5(積算率)×2(往復)=4020マイルとなります。
続いて、JALカードnavi会員の場合を調べます。
条件は...
- 中部ーホノルル往復
- 予約クラスL(積算率50%)
- JALカードnavi会員(普通会員の10%ボーナスマイル)
- ツアープレミアム自動加入
この場合には、
{4019マイル(区間マイル)×0.5(積算率)+2009マイル(ツアープレミアムボーナスマイル)+201マイル(JALカード普通会員の10%ボーナスマイル)}×2=8440マイル
ご覧のように、JALカードnaviを保有していれば、それだけでマイルが2倍以上貯まることになります。JALパックでの旅行なので予約クラスLと、比較的マイルが貯まりにくいクラスですが、JALカードnavi会員ならこれだけで既に国内線特典航空券が取れてしまいます。
ツアープレミアムは、今回のような長距離国際線を利用するときやJALパックなどのツアーで使うときに最も威力を発揮します。
このツアープレミアム、通常は年間登録手数料が2160円かかりますが、JALカードnavi会員はこちらも無料です。至れり尽くせりとはこのことですね。
JALカード ツアープレミアム(カードの機能) - JALカード
「ツアープレミアム」は、入会後からでも申し込みはできますが、入会時にも申し込むかどうかを選択する場面があるので、忘れがちな人は入会時に申し込んでおくべきです。
ちなみに「ショッピングマイルプレミアム」は自動入会となりますので手続きは不要です。
その他各種ボーナスマイル
飛ぶほどボーナスマイル
毎年1月から12月までの搭乗実績に応じてボーナスマイルを付与する制度です。フライトマイルによる獲得マイル数に応じて最大2,000マイルが付与されます(ツアープレミアムなどによるボーナスマイル分は計算対象外)。
- 1年で2,500~4,999マイル獲得→ボーナスマイル1,000マイル
- 1年で5,000マイル以上獲得→ボーナスマイル2,000マイル
マイル積算数によってボーナスマイルが積算されるため、JALグループ便のマイル積算対象運賃で搭乗した分のみカウントされます。
う~ん...。貰えるなら貰っとくか、という程度ですね...(そもそもJALにチケット買って乗ることがあまりない)。マイル積算対象運賃で搭乗することが条件なので特典航空券ではダメです。
ためるほどボーナスマイル
こちらはフライトマイルを含めた全てのマイル獲得実績に応じてボーナスマイルを獲得できるサービスです(この「ためるほどボーナスマイル」と上記「飛ぶほどボーナスマイル」による獲得マイルは対象外となります)。
獲得マイル数とボーナスマイルの一覧は以下の通りです。
- 0~999マイル→50マイル
- 1,000~1,999マイル→100マイル
- 2,000~2,999マイル→200マイル
- 3,000マイル以上→300マイル
雀の涙ですが、無いよりはマシです。
全ての獲得マイルが対象なのでポイント移行(Pontaポイント等からの移行)も対象になると思います。楽勝ですね!
海外旅行ボーナスマイル
JAL国際線(JAL便名コードシェア便含む)にマイル積算対象運賃で搭乗することで1区間ごとに300マイルが積算されます。こちらも特典航空券ではボーナスマイルはもらえません。
語学検定ボーナスマイル
指定の語学検定に合格(一定以上の得点)でボーナスマイル500マイルが貰えるサービスです。
対象試験は、英検準1級以上、TOEIC601点以以上、TOEFL61点以上、外国語検定1級(イタリア語、スペイン語、中国語、ドイツ語、ハングル、フランス語、ロシア語)・A級(インドネシア語)です。
レベル高いです…。なお、各言語につきボーナスマイルは1回のみになります。
これらの語学試験を受けてみて上記基準に達したら申請してみて下さい。
祝卒業ボーナスマイル
卒業後もJALカードを継続すると「卒業祝い」として2,000マイルのボーナスマイルが頂けるそうです。もともとJALカードnaviは卒業時にクレジットカードの有効期限が設定されているので、自動的に普通カードに切り替えになるのですが、切り替え翌月に2,000マイルが積算されます。
ちなみに、切り替え後のJAL普通カードは初年度年会費無料ですが、初年度から「ショッピングマイルプレミアム」・「ツアープレミアム」年会費は発生するので要注意です。
ここまで、JALカードnaviの良いところを見てきました。ここまで至れり尽くせりだと逆に少し疑ってしまいますよね?
では、逆にJALカードnaviのデメリット、というか欠点はあるのでしょうか。見ていきます。
大きなマイナスポイントはないが...
ぶっちゃけ、特にデメリットらしいデメリットはありません。WAONチャージでのマイル加算やフライトボーナスなど、通常のJALカードとしてのサービスがきちんと付帯していることに加え、上記のような様々なオリジナルな特典もあります。
また保険もJAL普通カードよりも充実しています。
強いてデメリット、満足できない部分を挙げるとすれば、利用限度額でしょう。JALカードnaviは限度額が一律10万円で発行されます。一時増枠は申請できますが、これでは物足りないときもありそうです。JALカードnaviとは別に、サブカードが必要でしょう(2017/11追記:JCBに確認したところ、JALカードnaviでも恒久増枠の申請は可能とのこと。当然、利用状況に応じた審査があります)。
学生の中にもいろいろあるので、ここは柔軟に対応してほしいなあ、と思うところです。
ちなみに、私が初めて発行した「三井住友VISAデビュープラスカード」は限度額30万円で発行されました。1枚目、ということもあるかも知れませんが、「学生だから10万円」というのは安直ではないでしょうか。
三井住友VISAデビュープラスカードについてはこちら。
ただ、カード持ちの友人に聞いても、学生カードで「限度額10万円」というのは一般的なようです。友人の多くは限度額が少なめで発行されることの多い楽天カードユーザーではありますが、やはり信用力のない学生に30万の枠のカードが発行されるのは、稀なのかも知れません。(ちなみに私自身、第一種奨学金を受けていますし、そんなに経済的に余裕がある訳ではありません。)
VISAブランドなら空港宅配で割引が受けられる!
JALカードnaviの国際ブランドはVISA、JCB、Masterの3種から選べます。AMEXやDinersはありません。前提条件として、どのブランドを選んでも機能はほとんど変わりません。全てのブランドでWAONオートチャージも可能です。
1つだけ相違点を挙げるとすれば、VISAブランドの場合、国際線手荷物宅配優待サービスが受けられる、という点があります。これはJCB、MasterブランドのJALカードnaviには付帯していないサービスです。JCB、Master両ブランドの場合、CLUB-Aゴールドカード・プラチナカード保有者のみ優待が受けられますが、VISAブランドのJALカードに限り学生カードを含む普通カードでも利用できるようになっています。
サービス内容としては対象空港の国際線を利用する場合、当該空港から(まで)手荷物を宅配する、というもので出国時は15%オフ、帰国時は税込500円で利用が可能となります。なお帰国時の利用の場合、海外での当該JALカードの売上伝票が必要となりますので注意が必要です。
海外旅行から帰ってきた直後に大きな荷物を持って電車やバスに乗ることは大変ですし、500円なら払ってもいいかな、という気分になるのではないでしょうか。
あとは国際ブランドそれぞれの強さ(利用可能場所の数)と、サービスなどを比較することになります。
VISA、Masterは海外、国内共強く、初めてのクレジットカードならこちらを選ぶべきでしょう。最近では国内でもJCBは不可なところもあるのでVISA、Masterは無難な選択です。
一方、JCBの利点として挙げられるのはディズニーデザインのカードを選択できることです。JCBはオリジナルシリーズを始めとした多くのカードでディズニーデザインのカードを発行していますが、このJALカードnaviにもラインナップされています。著作権の関係でこちらに画像を載せられないようなので、公式サイトで確認して頂ければ、と思います。
https://www.jal.co.jp/jalcard/card/navi.html
また、JCBではQUICPayの発行が可能です。QUICPayが使えれば、コンビニ等でスムーズに支払いができて便利です。私もよく使っています。JALカードとQUICPayの関係に関しては以下の記事でまとめましたのでご覧ください。
まとめ
私自身、JALカードnaviを使い始めて1カ月ほどしか経っていませんが、ハイスペックな良いカードだなあ、と思います。限度額が少ないのも、初めてのクレジットカードを持つ学生にとっては逆に安心材料にもなりますし、ご両親にも納得してもらいやすいでしょう。
スペックも、優遇が多い学生カードの中でも際立って高いと思います。年間維持費0円でマイル還元率1%を達成できるカードは一般カードでもほぼないでしょう。私は1枚目に三井住友カードを作りましたが、1枚目のメインカードとして使う価値は十分あります。特に海外旅行を控えている学生、帰省などで飛行機を使うことの多い学生は作っていて損はありません。無料ですので。
このカードの様々な特典は、学生の間の期間限定です。逆に言えば、大量マイル獲得を行う陸マイラーを全く意識していないカード、ともいえるでしょう。陸マイラー活動をして得たマイルを減額マイルキャンペーンで使う、という方法を使えば、ガンガン海外旅行に行けると思います。
とにもかくにも、学生(マイラーでなくても)必携のクレジットカードと言えると思います。