山陰から大阪へはどの交通手段がおススメ?「やくも」、高速バスを徹底比較。
島根に住んでいると、何かと大阪や神戸に出る機会が多くなりますよね。下手すれば広島・岡山より行く機会が多い人も多いかも知れません。
そこで今回は山陰(出雲・松江・米子)から関西方面へアクセスする方法をまとめてみました。
出雲・松江~関空の移動手段を比較してみる
JR対高速バス
山陰から大阪へのアクセスとしては、JRと高速バスの一騎打ちになります。
JRは、出雲市、松江、米子各駅から特急「やくも」に乗り、岡山駅で新幹線に乗り換えるルートです。所要時間は出雲市から新大阪までで約4時間です(出雲市~岡山3時間、岡山~新大阪40分程度)。
競合する高速バスは所要時間5時間半程度かかりますのでJRが優勢です。ただし、高速バスは乗り換えがありませんし、大阪が終点ですから寝ていれば着きます。JRの場合、東海道新幹線直通列車に乗ると寝過ごす恐れがあります。岡山方面乗車時も同じです。
表にまとめると次のようになります。
出雲市~大阪 | 所要時間 | 値段(片道) | 往復/日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
高速バス(昼行) | 5.5時間 | 4950~5310円 | 12往復 | 「値段」は「早売5」運賃 |
JR | 4時間 | 6170円 | 15往復 | 「値段」は阪神早特往復きっぷ利用時 |
高速バスはこの他に夜行便が1往復運行されています。続いては、ここでJR利用時の条件として挙げている「阪神早特往復きっぷ」について紹介していきます。
スポンサーリンク
「阪神早特往復きっぷ」は超絶お得!
「阪神早特往復きっぷ」は出雲市、松江、米子から阪神方面へ往復するときに利用できる特定企画乗車券(トクトクきっぷ)です。各設定駅から岡山駅までは伯備線特急「やくも」、岡山~新大阪/新神戸は山陽新幹線各列車の普通車指定席が利用できます。
出雲市、松江から大阪/神戸市内までの値段は次のとおりです。
発駅 | 着駅 | 通常運賃 | 阪神早特往復きっぷ(片道当たり) |
---|---|---|---|
出雲市 | 大阪市内 | 11140 | 6170 |
出雲市 | 神戸市内 | 10920 | 6170 |
松江 | 大阪市内 | 10810 | 5915 |
松江 | 神戸市内 | 10170 | 5915 |
これを見ると、通常運賃の半額近い価格で阪神方面へ行くことができることが分かります。
阪神早特往復きっぷのデメリット
このように、山陰地方から阪神方面へ安く移動できる「阪神早特往復きっぷ」ですが、デメリットも存在します。主なデメリットは以下の通りです。
- 有効期間が3日間と短い
- 予約変更ができない
- 21日前から7日前までの発売
特に有効期間の短さは非常に痛いところです。3日を超える旅行の場合は、当日でも購入可能なトクトクきっぷ「阪神往復割引きっぷ」(有効期間6日間、松江~大阪・神戸市内往復13,890円)が使えますが割引率は阪神早特往復きっぷに比べ見劣りします。
続いて高速バスを見ていきます。
高速バスは直前予約でも安い
出雲市・松江~大阪の高速バスは一畑バス、阪急バス、中国JRバスの共同運行で1日に昼行15往復、夜行1往復が運行されています。日中はほぼ毎時1本運行されており、非常に利便性の高い路線となっています。
また、全便が新大阪駅経由、梅田(阪急三番街)行きとなっているため、新大阪、梅田両方へのアクセスが良いことも高評価です。
運賃は時期によって上下しますが、松江~新大阪・梅田の場合、早期購入割引型運賃の「早売5」で4,500~4,860円(最繁忙期は設定なし)、普通運賃の片道運賃で5,000~5,800円と比較的リーズナブルです。ちなみに往復割引や学割はありません。
先日乗車した、写真の阪急バスの車両は、3列独立シートでコンセント付と、非常にレベルの高い設備となっていました。乗車率があまり高くなかったため、リクライニングシートを目一杯倒すこともでき、快適でした。「やくも」はコンセントは付いていませんし、JRよりも少し時間がかかる点を除けば十分互角の勝負だという印象を受けました。
高速バスのデメリット
高速バスのデメリットを挙げるならば、やはり時間がかかること、でしょうか。特に始発便を比較するとその差がよく分かります。
やくも2号 | のぞみ2号 | 高速バス | |
---|---|---|---|
出雲市駅 | 4:42 | 5:35 | |
松江駅 | 5:07 | 6:15 | |
岡山駅 | 7:41着 | 7:54発 | ↓ |
新神戸駅 | 8:25 | ↓ | |
新大阪駅 | 8:38 | 10:57 | |
大阪駅(梅田) | (8:50) | 11:07 |
JRの始発便の時間が早いこともありますが、JRだと9時前には大阪に着くことができます。一方で高速バスの場合は午前中を丸々移動に費やすことになります。
私は先日、関西空港発のPeach新潟便に乗る機会があったのですが、同便は午前11:50発。高速バスでは間違いなく間に合いません(夜行バスを除く)。このような、大阪からさらに移動の予定がある場合には早く着くJRが優位になります。
結論
私はこれまで「阪神早特往復きっぷ」のヘビーユーザーで、高速バスは時間がかかるし疲れるだけだと思い込んでいました。しかし先日初めて高速バスで大阪を往復してみて、「これはもしかするとJRより楽かも知れない」と思うようになりました。
とはいえJRの方が早く、阪神早特往復きっぷなら価格差も許容範囲内であるため、ここらへんは使い分けが必要ですね。本来は片道ずつとかがいいんですけど(帰りだけコンセント付の高速バス、みたいに)。